酒の仕込みは朝が早く、また麹造りは昼夜を問わずきめ細やかな作業が多くあります。そのため蔵人は繊細な感覚が必要とされます。
仕込みは、米の収穫が終わった秋から始まり、冬から春にかけて仕込みます。一度仕込が始まると、期間中の6ヶ月は途中で止められないため、蔵人たちは体力と集中力が求められます。そのため作業中の安全・健康管理は最も重要とされます。杜氏は蔵人の健康状態・安全を優先に考え、適度な休息とマメなコミュニケーションを通して、酒造り全体の運営に努めます。
地元の米・蔵の地下水・地元の人で醸す。
これこそが灘菊の味のオリジナリティと考えています。
複雑で体力を必要とされる酒造りの中で、作業ばかりに捉われず「酒造りを五感で楽しむ」ことに重きを置いています。
酒造りは麹菌・酵母菌など自然の力を借りて行います。毎年、気候の微妙な差や米の出来具合によって発酵の様子は変わります。麹菌・酵母たちの動きを繊細に感じ(発酵の音や見た目で判断)、彼らの働きやすい環境に整えてやることが私たち蔵人の重要な仕事です。五感をフルに使い酒造りが楽しめるよう心掛けています。